特許とは、要件、メリット、取り方、流れを特許率97%の弁理士が解説

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・全ページの執筆者:弁理士 佐渡 昇
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特許とは、特許要件、特許のメリット、取り方、流れ

 
・特許とは、発明(新しい技術的なアイデア)を守るために、国によって付与される特許権のことをいいますが、特許権を付与すること、特許制度、特許法を指すこともあります。

・特許制度(特許法の)の基礎知識

特許制度の目的
 特許制度(特許法)の目的は、発明(新しい技術的なアイデア)を公開させる代償として特許権を付与することで、発明の秘密化を防止するとともに発明者の創作意欲を高め、技術や産業の発達を図ることにあります。
 特許法では、「この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。」(特許法第1条)と規定されています。

目的を達成するための2本柱
①発明の保護
 発明の保護は、基本的には発明者に特許権を付与することで実現されます。
②発明の利用
 発明の利用には、主として実施による利用と技術情報としての利用があります。

発明保護のための先願主義(せんがんしゅぎ。先発明主義ではありません)
 先願主義とは、同一発明について複数の出願(申請)があった場合、発明完成時期によってではなく、最も早く特許庁に出願(申請)した人に権利を与える、とする主義です(特許法第39条)。
 したがいまして、発明が完成したら、なるべく早めに特許庁に出願(申請)することが望まれます。

※特許制度の基礎知識についてより詳しくお知りになりたい方は別ページ特許制度の基礎知識をご覧下さい。

・特許要件
 特許されるための主な要件は次の通りです。
○新規性(特許法第29条第1項)
 新規性とは、未だ世に知られていない新しさのことをいいます。
 つまり、特許受けるためには、その発明は、非公知、非公開でなければなりません。
○進歩性(特許法第29条第2項)
 進歩性とは、その発明が公知技術から容易には思いつかないていどのものであるということです。
  新規性のある発明であっても、公知技術に基づいて通常の技術者が容易に考えることができたものについては「進歩性がない」として特許権が与えられません。

※特許要件についてより詳しくお知りになりたい方は別ページ「発明」が特許されるための主要要件 をご覧下さい。

・特許のメリット
 特許の最大のメリットは、一定期間(出願から20年)自分の特許発明を独占的に実施できることです。特許法第68条には、「特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する。」と規定されています。これにより特許権者は、第三者の不当実施を排除することができます。

○個人の特許取得のメリット(経済的価値・起業の動機付け)
 特許取得のメリット(1):自身の特許発明(アイデア)を企業(メーカー)に実施してもらう可能性。
  特許を取得した後、特許発明(アイデア)を企業(メーカー等)に提案し、実施契約して、メーカー等に製造販売してもらうことで、実施料を獲得できる可能性があります。

 特許取得のメリット(2):自身の特許権(アイデア)を企業(メーカー等)に売却する可能性。
 特許権を取得した後、特許権(アイデア)を企業(メーカー等)に売却することで、売却料を獲得できる可能性があります。

 特許取得のメリット(3):特許発明品(アイデア製品)をご自身で製造販売等する場合。
  特許権に基づく独占的な製造販売により、大きな利益が得られる可能性があります。
特許権者以外は、特許権者の許諾がなければ、そのアイデア商品を製造販売できないからです。
 したがって、特許取得は、起業の動機付けとなり得ます。

○企業の特許取得のメリット(市場における優位性)
 特許取得のメリット(1):市場における優位性
 特許権は独占権であり、その特許発明を独占的に実施することができる権利ですので、他社の実施を排除することが可能です。
 このことは、市場において圧倒的な優位性を確保できることを意味しています。
 多くの企業が、特許取得を図る理由はここにあります。

 特許権取得のメリット(2):実施料等の獲得可能性
 特許発明の実施を他社に有償で許諾することで、実施料を獲得できる可能性があります。
 また、特許権を他社に売却することで、売却料を獲得できる可能性もあります。
 
  特許権取得のメリット(3):自社技術のアピール
  自社技術(自社製品)が特許技術(特許製品)であることをアピールすることができます。 

※特許のメリットについてより詳しくお知りになりたい方、デメリットについてもお知りになりたい方は別ページ特許取得の目的(特許取得のメリット・デメリット)をご覧下さい。

・特許の取り方、特許取得までの流れ
 次の通りです。
1.先行技術調査 2.特許申請 3.出願審査請求 4.拒絶理由通知への対応 5.特許査定と特許料納付 6.特許証、特許公報の発行。

1.先行技術調査
 類似のアイデアがすでに存在しているかどうかを調べます。J-PlatPat(独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)が運営する日本の公式データベース)で無料で調べることができます。
 これによって、無駄な特許出願(特許申請)を防止し、有効な特許取得の可能性を高めることができます。
2.特許申請
 特許申請(特許出願)は、発明について国(特許庁)に対し特許権の付与を求める手続で、願書、明細書、特許請求の範囲、図面(必要な場合)、要約書を特許庁に提出することによって行います(特許法第36条)。
3.出願審査請求
 出願審査請求は、特許出願(特許申請)後、特許庁に対し、特許出願(特許申請)の内容が特許に値するかどうかの審査を求める手続きです。
 特許庁に対し出願審査請求書を提出することで行います。特許取得には必須の手続です。
4.拒絶理由通知への対応
 拒絶理由通知は、特許庁審査官による審査の結果、特許出願(特許申請)の内容が特許にできないとの判断がなされた場合に、出願人(代理人がある場合は出願人代理人)に発せられる通知です(特許法第50条)。
 この拒絶理由通知に対しては、意見書、補正書等を提出して対応することができます。
 意見書は、拒絶理由に対して出願人が反論するための書類です。
 補正書は、拒絶理由を解消するために、明細書や特許請求の範囲の記載を修正するための書類です。
5.特許査定と特許料納付
  特許庁審査官による審査の結果、特許出願(特許申請)の内容が特許に値するとの判断(特許査定)がなされた場合には、特許庁に対し特許料を納付します。
  この特許料の納付によって特許権が発生します。つまり特許取得成功となります。
6.特許証、特許公報の発行
 特許料の納付によって特許権が発生すると、所定期間後に特許証が発行され、特許公報も発行されます。

※特許の取り方、特許取得までの流れについてより詳しくお知りになりたい方は別ページ特許の取り方|特許取得までの流れ をご覧下さい。
※弁理士佐渡の代理による特許登録例をお知りになりたい方は別ページ特許 登録例をご覧下さい。